-松井作品の宣伝美術は全部やってますか? 京:いえ、やってないです。『通過』やって、その次一度『ワールドプレミア』で離れてま す。出戻りですね。 -momokoさんとのコンビでやってるのはどこからですか? 京:『地下室』から。『地下室』からmomokoさんが参加して、それで今のシリーズ、流 れになりました。 -(テーブルの上に並べられたちらしを見ながら)だから『通過』だけ違うわけですね。 京:『通過』の時は、松井さんと初めて組んだ作品で、やっぱ、掴めてないんだよね。 掴みきれてない。作品自体も出会ったことのないタイプだったし、ちらしつくる時点で、ま だ松井さんも一作もやってないわけで、どんなものが立ち上がってくるのかっていうのが、 私のイメージが追い付いてない。 -でも裏面は見えてますよね。 京:ちょっと見えてる。うっすら。 デザイナーとしての技量でどうにかしてるけど、捉えきれてない余白をお客さんに委ね てるんだよね、わりと、このちらしは。踏み込み切れずに、「あとはよろしく」みたいな、逃 げてる…わけではないんだけど、そのときの精一杯がそこまでだったのでそうなんだけ ど、私としてはやっぱり、掴み切れなかったなと。で、作品をみてやっぱりそう思って、ま ったくあのときはまだ、それまでの私の身体感覚では捉えられない作品だった。ちょっと むしろ拒否するくらい衝撃で、わかんなかったの。 それで案の定『ワールドプレミア』のときは声がかからず。それは如実に出た。でも『ワー ルドプレミア』をみて、わかんないなりに何かが残ったわけ。「これは」と、もやもや『通過』 のときの悔しさが残って。 それで、『地下室』の企画が立ち上がり始めたときに、松井さんに、ラブレターを書いた(笑)。 -あー、じゃあ、『地下室』のときに押して、リベンジした。 京:そう、一回振られて、ラブレター書いたっていう話ですよ(笑)。 -へー。その後は? 京:『地下室』でやっぱりすごいベースができた。そのときにかかわってた林真智子ちゃ ん(『地下室』の制作。現在、東京寄席企画室)だったり、松井さんだったり、momoko さんも入ったことで、最初の立ち上げでそこで、文字の並べ方タイトルの置き方とかす べてすごい時間をかけてつくった。何度も何度もやりとり重ねて、その密なやりとりでス タイルがカチッとできた。 もうちらしのある種のスタイル、フォーマットの新しいものをつくるのは無理だろぐらいに 思ってたのが、「あ、できるもんだ」っていうのがすごい発見だった。それはみんなでつ くった気がする。 -そのときはなにか深い話し合いとかあったんですか? 京:まずmomokoさんと松井さんがいい出会いをしてくれたな、と思って。私がつなぎ だったんだけど。松井さんの作品性とmomokoさんの写真、momokoさんが持って きたブックの作品イメージが、言葉を介さない部分で共通していたというか、「これはい けるな」っていう感触が松井さんにとってあったみたい、後で松井さんから聞いたんだ けど。だから、話しあったとかっていうよりは、松井さんがストンと出したゴールに向かっ てどの道を進むか、みたいな感じ。 あのときは「給水塔」っていう明らかなオーダーがあって、どの給水塔がいいか、ネット で調べたりなんだりしてあたりをつけて、回ろうっていうことになって。momokoさんの 車で回りながら撮りながら、上がったもののなかからいいのを選んだんだけど。その後 も、「ミーティングするより車乗って走ったほうがいいんじゃない?」って感じ、感覚的に は。「これからそうする?」って。 kyo.designworks website : http://www.kyodesignworks.com/
by sample03
| 2008-08-23 13:40
| 京インタビュー
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